【社会】 観光船の捜索 4人発見 救助活動進める 北海道の知床半島沖
★ 観光船の捜索 4人発見 救助活動進める 北海道 知床半島沖
2022年4月24日 7時51分
23日午後、北海道の知床半島の沖合で乗客と乗員合わせて26人が乗った観光船から
「浸水している」と救助要請があり、捜索が続いています。
第1管区海上保安本部によりますと24日朝、合わせて4人が知床岬の先端で見つかったという
連絡が入ったということで、救助活動を進めています。
海上保安庁によりますと、23日午後1時15分ごろ知床半島の沖合で観光船「KAZU 1(カズ ワン)」(19トン)から
無線や電話で「船首が浸水し、沈みかかっている。エンジンが使えない」と救助要請の通報がありました。
そして午後2時ごろ、観光船は「船首が30度ほど傾いている」と運航会社に伝えたのを最後に連絡がとれなくなりました。
海上保安庁によりますと、観光船には子ども2人を含む24人の乗客と船長と甲板員それぞれ
1人の合わせて26人が乗っていたということです。
運航会社は海上保安庁に対し、全員救命胴衣を着用していたと説明しているということです。
海上保安庁と災害派遣要請を受けた航空自衛隊は、現場の斜里町の「カシュニの滝」近くの
海域に巡視船や航空機を出して捜索しています。
第1管区海上保安本部によりますと24日午前5時5分、警察の航空機から知床岬の先端で3人を発見したと連絡が入ったということです。
第1管区海上保安本部によりますと、3人は海上で見つかったということです。
さらに、これとは別に午前5時45分海上保安庁の航空機が知床岬の先端の岩場で1人を発見したということです。
この4人の容体はわかっておらず、警察と海上保安庁の航空機が救助にあたっています。
●去年6月 浅瀬に乗り上げる事故
「KAZU 1」は、去年6月、浅瀬に乗り上げる事故を起こしていました。
第一管区海上保安本部によりますと「KAZU 1」は去年6月11日、斜里町のウトロ漁港を出港した直後に浅瀬に乗り上げました。
観光船には子ども2人を含む乗客21人と乗員2人の合わせて23人が乗っていましたが、けが人はなく、自力で浅瀬を離れて港に戻ったということです。
この事故で観光船の当時42歳の船長が業務上過失往来危険の疑いで書類送検されました。
●別の運航会社の男性「船の前方 割れていたのでは」
24日朝、斜里町のウトロ港で、行方が分からなくなっている観光船とは別の運航会社の男性が記者団の取材に応じました。
男性は「海が荒れるのが分かっていたので、きのうは行くなと言った。なぜ行ってしまったのかと思う」と話していました。
さらに行方が分からなくなっている観光船について「あの船は去年座礁したことがあり、自分が見たかぎりでは船の前方が割れていて直していない。そこに亀裂が入って水が入ったのかもしれない」と話していました。
●漁業者に捜索協力の要請
漁業関係者によりますと24日午前6時ごろ、斜里町のウトロ港で消防や海上保安庁の関係者、それに漁業者らが話し合い、漁業者に捜索協力の要請がされたということです。
これを受けてウトロ港から次々と船が捜索に向かいました。
●漁業者「協力要請あれば自分たちも向かう」
斜里町のウトロ港では24日4時すぎ、漁の準備をする漁業者の姿が見られました。
このうち30代の漁業者は「捜索への協力要請があるかもしれないという話を聞きました。
要請があれば自分たちも向かいます。皆さん夜通しで捜索しているので、協力できることがあったら力になりたいです」と話していました。
※「1(ワン)」は正しくはローマ数字
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220424/k10013596181000.html